カテゴリ : RIDERS CLUB
最終更新日 : 2024年08月03日
RIDERS CLUB 2023年 08月号 掲載 【記事】好きだから、こだわりたい 「軽さ、精度、強度。すべてが凝縮した機能美。ガンデイーニ ドリブンスプロケット」
好きだから、こだわりたい
装着してしまえばほとんど注目されることのないドライブスプロケット。しかし、この裏方とも言えるパーツへのこだわりこそ、モトコルセの真骨頂だ。
PHOTO / K.MASUKAWA TEXT / Y.FUJITA
問 / モトコルセ TEL046-220-1611 https://www.motocorse.jp
軽さ、精度、強度。すべてが凝縮した機能美
スプロケットのカスタムと言えば、リアホイールに装着されてよく目立つドリブンスプロケットを思い浮かべる人がほとんどだろう。しかし今回の主役はミッション側に装着する520幅のドライブスプロケット。車種によってはカバーで隠れ、ほとんど日の目を見ることのないパーツと言える。しかし、だからこそそこに情熱をかける意味があるとモトコルセは考えている。
モトコルセがコラボするガンディーニ社は、10年代にイタリアで創業。さまざまな精密機械の歯車を生産し、常に最先端の技術で高精度な製品を世に送り出している。中でもバイク用スプロケット「ガンディーニレース」は同社レーズ部門で製造し、モトGPやSBKに参戦するチームにも採用されている。
同社製スプロケットの最大の特徴は、特殊高精度歯車製造のノウハウを生かした熱処理により絶妙な硬度と報性を持たせることで、ドライブチェーンを滑らかに送れるという特性にある。これによりチェーンの摩耗を抑えて、エンジンパワーを効率よくリアタイヤに伝えられるのだ。
18年のボルドール耐久レースでは、530のチェーンが一般的な中、YARTヤマハは1サイズ小さくて軽量な525を選択。300m/h越えが13秒間続く、ポール·リカールサーキットの過酷なミストラルストレートの影響で、多くのチームがチェーントラブルを発生する中、問題なく走り続け2位を獲得している。
そうした実質的な性能の他に、ガンディーニのスプロケットには大きな個性がある。それは美しい鏡面仕上げだ。もちろん、その見た目が重視されるパーツでは決してない。しかし、「神は細部に宿る」の格言通り、こうしたディテールにこだわった物こそ、真の良品と言えるのだ。
モトコルセではガンディーニレースとともに、520にコンパートできるSTM製ドリブンスプロケットの組み合わせを提案している。純正よりも軽量化されるためドライブチェーンのジャイロ効果による抵抗が減少、フリクションも軽減されるからだ。慣性重量の大幅な軽減は、加減速を繰り返す駆動系のレスボンスに大きなメリットをもたらし、より軽快なバイク操作を可能にする。ガンディーニレースは、小さいながら大きな効果が得られる、重要な機能パーツなのである。