カテゴリ : RIDERS CLUB
最終更新日 : 2024年05月08日
RIDERS CLUB 2022年 06月号 掲載 【記事】好きだから、こだわりたい 「Vyrus Alyen」
好きだから、こだわりたい
ヴァイルスが創り出した地球外生命体が、ついに日本上陸。東京モーターサイクルショーではモトコルセブースに展示され話題を呼んだ。
未知との遭遇
PHOTO / H.ORIHRA TEXT / Y.FUJITA / モトコルセ TEL O46-220-1611 https://www.motocorse.jp/
ヴァイルスが開発してきた数々のマシンに共通しているのは、ハイパフォーマンスなエンジンをオメガフレームに搭載し、ハブセンターステアリング機構を持つマシンであることだ。ヴァイルスのアイデンティティともいえるデザインの根幹だが、それゆえ車体設計にさまざまな制限があることも事実だ。
しかし、このたび日本に上陸したエイリアンの姿を見れば、ヴァイルスのデザイナーにとって、その制限は想像力と創造力をさらに飛躍させるためのステップに過ぎないことがわかる。いわば、より高く跳ぶためにはヒザを強く屈曲させるようなものなのだろう。エイリアンを真横から見ると、フェアリングが描くラインが見事にフロントスイングアームと協調している。ハブセンターステアならではの美しさを巧みに生かし、マッシブながらも疾走感にあふれる造形に圧倒される。
その名のとおり地球外生命体、あるいは異質を思わせる車体の造形は、ヴァイルス代表であるアスカニオ・ロドリゴが思い描いたイメージを具現化したものだ。それを現実の物としたのは、『イガラシデザイン」として未来のモビリティを創造している日本人デザイナー、イガラシユタカだ。ロドリゴとイガラシは10年にわたって数十ものデザイン案を練り上げ、エイリアンを生み出した。彼はこのほかに986M2のデザインにも携わっている。エイリアンの特徴は、モーターサイクル百年余の歴史で類を見ない独創性に満ちた造形にある。見る者を威圧し、寄せつけない。ある種の排他性すら感じさせる。しかし、エイリアンの車体造形の秀逸さは、人間が跨がったときの調和にある。車体がこれだけ強い主張を持つデザインであるのに、ライダーが乗車して初めてデザインが完成するようになっているのだ。大きく張り出したサイドフェアリングやハンドガード、前方に突き出したアッパーフェアリングは、ライダーを歓待することが本来の意図なのではないかと思えるほどだ。
この造形を実現すべく、フェアリングにはユニディクショナルカーボン、オメガフレームやスイングアームにはマグネシウムを採用することで、優れた剛性と軽さを両立させ、異質の姿を創り出した。生産は世界限定20台。価格は2288万円。日本には4台が輸入されるがすでに完売という。エイリアンはハイパーバイクという新境地を開拓する挑戦者でもある。
写真補足
■ マグネシウム製シートフレームで支えられるシート。その下に伸びているのはマフラーエンドで、内側に貼られた金色の材料は断熱材。消音器などは車体下部にあり、上方へ伸びているのはエンド部のみだ。
■ ステアリングの操舵には、新たな手法を探るべくエイリアンでは油圧式が検討された。しかしフェイルセーフを優先した結果、ワイヤー式となった。サイドフェアリング内にアルミ製燃料タンクが内蔵される。
■ 剛性と軽さをさらに向上させるべく、車体から大きく張り出すフェアリングは、カーボン繊維を織り込まず単一方向に揃えた素材を積層させたユニディレクショナル (UD) カーボンを採用している。
■ ショックは前後ともオーリンズ製TTX40で横向きに配置。ブッシュロッドとリンクを介してスイングアームと繋がり、左右から押されて動作する。スイングアームはフロントが再持ち、リアは片持ちのマグネシウム製。
SPECIFICATIONS
| エンジン形式 | DUCATI 製水冷4ストローク L型2気筒 DOHC デスモドローミック式 4バルブ |
| 総排気量 | 1285cc |
| ボア×ストローク | 116 x 60.8mm |
| 圧縮比 | 12.6:1 |
| 最高出力 | 205hp / 105000rpm |
| 最大トルク | 14.7kg・m / 8750rpm |
| 変速機 | 6速 |
| キャスター / トレール | 17~25° / 84~112mm |
| タイヤサイズ | F=120/70ZR17 | R=200/60ZR17 |
| ホイールベース | 1575mm |
| シート高 | 800mm |
| 車両重量 | 165kg(乾燥) |
| 燃料タンク容量 | 11L |
| 価格 | 2288万円 |

メディア インフォメーション
RIDERS CLUB 2022年 06月号 掲載
・巻頭特集
SUZUKI KATANA「電子が研いだ現代刀」最新電子デバイスを装備した新型KATANAを、青木宣篤さんがインプレッション。第一声は「これはまったくの別物だ!」でした。
「大鶴義丹×青木宣篤 スペシャル対談」
KATANAが大好きな俳優の大鶴義丹さんが、青木宣篤さんと空冷、水冷モデルの魅力を徹底的に語りつくします!
・加賀山就臣「勝つために走り続けてきた」
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